短編小説
□ニノあらし
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《ただいまぁ〜〜》
《……えっ…リーダー!?》
昨晩、酒の臭気にまみれたオッサンが、この間作ったばかりの合い鍵で俺の家に侵入した。
《…あれ…和……??》
こんな真夜中に一体どうしたんだ、と訊ね話しを聞くと、どうやら自宅と間違えたらしい。
《リーダー、…あなた相当酒臭いですよ》
《んー?いっぱい呑んだからねぇ〜》
そんな酔っ払うほど呑むなんて…。
きっと釣り仲間同士、呑み会でもしてきたんだろう。
しまいには、ここに泊まるとか言い出すんだから。
《え、嫌ですよ。帰って下さい》
《やだ、泊まる!オイラもう決めたもん!!》
《決めたって…、りぃだぁー……》
残念ながら酷く酔っ払ったコイツには、何を言っても聞かないのがオチ。
だから、しょうがない。
《……わかりましたどうぞ泊まってって下さい》
不機嫌さを、もろ口に出して言う。
ベッドの上に枕を二つ並べて、了承の出ないうちから寝る準備をしていたオッサンは、ありがとぉー!!って派手に喜んだ。
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それから俺たちは、小さいベッドに無理やり並んで寝たんだけど。
…珍しくオッサンが酔っ払ってるのに、
それを見逃すのはもったいない。
とゆーより、
……何かしたい。
ってなことで。
布団もかけずにぐっすり眠った彼に、
面白そうなドッキリをしかけてみた。
『ニノあらし』