長編

□4話 カウントダウン
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「あ、真柚やっと起きた。もう日本史終わっちゃったよ。」

「……………」

目を覚ますと、そこには菜摘の姿があった。

そうだ、さっきの夢みたいな話、彼女にしてあげよう。

きっと爆笑だ。

そう思った私は、口を開こうとする。

「………真柚?」

しかし口は、まるで自分のものではないかのように、堅くて動かない。

なんで!?
まさか、さっきの夢と
何か関係でもあるの!?

「真柚、大丈夫?」

大丈夫だよ、菜摘。

でも口が開かないの、どうしよう……。

私が悩んでいると、いきなり立ち上がる私。

え、何!?なんなの!?

「真柚、どこ行くの!?」

私の足は教室を出て、廊下を歩いていく。

そして突き当たりの階段を見つけると、ゆっくりと一段一段確実に上がっていく。

「(ちょ、どこ行くの!!)」

止まって、止まってよ…!!

必死に足に力を入れるが、もちろん体は私の指示とは別の行動をとる。

そして一番上の階に着くと、目の前にあった扉を開けた。



































「(………屋上…?)」





























私の足はゆっくりと前へ進んでいく。

そう、確実にゆっくりと進んでいくのだ。

「(えっ、ちょ、このまま行ったら…!!)」

屋上から落ちてしまう!!

どうなってるの、私の体!!
神様は私をどうしたいの!?

「(やだっ、まだ死にたくない!!)」

強く思ったが、止まらない足。

そして私は、フェンスを超えて



























「嫌ぁぁぁああ!!」

























下へと落ちて行った。

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