長編
□24話 想い
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【真柚side....】
「ふぅ………」
また夜が来た。
普段ならば沖田さんが来るから楽しみなのだが、今日は違った。
頭の中は夕方聞いた、悪い噂でいっぱいだった。
せっかく素直になって、沖田さんと向き合おうと思っていたのに……。
「沖田さん……」
こんな状態でも、私は沖田さんを待っている。
もしかしたら想世さんと、会っているかもしれないのに…。
「………やだよー…」
沖田さんと想世さんが仲良くしている姿を想像すると、胸がモヤモヤして気持ち悪かった。
私、こっちに来る前よりも沖田さんを好きになってる…。
そんなことに、今頃気がついた。
「会いたいな…」
こんな時あの人の恋人だったら、すぐ会いに行ける。
わがままも言える……。
こんなことなら、もっと沖田さんと仲良くしておけばよかったな。
「もう、後悔ばっかりっ!!」
私はどうしていいか分からず、畳に倒れ込むしかなかった。