短編
□君のせい
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「んっ……、だめっ、リヴァイっ…!!」
あぁ、なぜこんなことになってしまったのだろうか。
「静かにしねぇと、誰か来た時バレちまうぞ?」
「はっ……あぁっ…!!」
私は彼に書類を持ってきただけなのに、なぜ私は彼に体を執拗に触られているのだろうか。
「今日はずいぶんと感じてるじゃねぇか。」
「んぅ………やっ、もう……」
別に嫌ではない。
私と彼は、憲兵団と調査兵団で同じ兵士。
そして、恋人同士なのだから。
「久しぶりで、堪らなく良いか?ルナ……。」
「っ……!!…ぁ、やっ…」
でも、場所が悪い。
だってここは調査兵団の本部で、誰かがリヴァイに用事があって、この部屋に来るかもしれない。
「リ、ヴァイっ………」
「なんだ?」
「もっ……やめ、……あぁっ!!」
憲兵団である私は、今回リヴァイに壁外調査の報告書を書いてもらおうと、わざわざやって来たのに。
確かにそういうことはご無沙汰だが、何も今することではないはずだ。
「こんなにして、何がやめてだ。もっと…にしか聞こえねぇな。」
他の兵団とは違って立体起動を使わない私達は、あの邪魔くさそうなベルトも装着義務は特にない。
だから私はベルトを付けていないのだが、付けていないせいで私は今この状況だ。
ベルトを付けていない私の服は、リヴァイによって簡単に乱され、シャツのボタンはだらしなく開き、下も見られてはまずい状態になっていた。
「あっ……だ、めっ……!!」
私は書類を渡したら、すぐ戻るようにナイル・ドーク師団長に言われているのに。
「はっ……んぁ、あっ……」
それなのにリヴァイときたら、執拗な愛撫ですっかり濡れているそこに、指を突き立て私の体を責めあげる。
その行為に私も次第に理性を失っていった。
「やらしい顔しやがって…。」
「んっ……だ、てっ……」
「……ルナ。もう、俺が欲しいだろ?」
「……っ、う………んっ。」
前から降ってくるキス、的確に私の中を突く指。
久しぶりな体には十分過ぎる快感に、私はついに理性を手放した。
もう知らない。
ナイル師団長に怒られたら、リヴァイのせいにしてやる。
「リヴァイ、ちょっといいか?」
とりあえず、リヴァイが欲しい。
そう思った私であったが、ある人の声が聞こえると、一気に正気に戻った。
「っ!!リヴァイ、まずいよ!!」
「っ、たく……イイとこだってーのに。」
「リヴァイ、居ないのか?」
声の主は、エルヴィン団長だった。
「リヴァイ……?」
「はぁ……。ルナ、服整えろ。」
「う、うん………。」
見つかったら、さすがの団長も怒るよね。
私は言われるがまま乱れた服を整えた。
すっと離れたリヴァイのぬくもりが、ちょっとだけ寂しい。
「入るぞ?」
「あぁ。」
できることなら抱きつきたい。
本当は凄く寂しかった。
「ん?ルナもいたのか。」
「こ、こんにちは。」
リヴァイが壁外に出ている間は私にとって地獄だ。
「あぁ、こんにちは。」
「エルヴィン、何の用だ。」
「ん?あぁ、前回の壁外調査の件でちょっとな。」
「そうか。」
リヴァイが巨人に負けるなんて、そんなこと思っていない。
だけど、絶対に勝てるという保証なんてどこにもない。
「あ、の……私お邪魔ですよね。用事は済んだので、私はこれで失礼します!」
絶対帰ってきてくれる保証なんて、どこにもないの。
だから不安になるんだ。
「…………はぁ。」
不安になるからこそ、リヴァイが無事帰ってくると嬉しくて、たくさん傍に居たいし、たくさん触れていたくなる。
でも、時と場所によるよね。
さすがに師団長のところに戻らないと怒られるし。
「……リヴァイ…。」
まだ微かに疼く体を無理やり動かし、私は部屋を飛び出した。