ショート集
□拍手
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『クーリスッマッスッがあ〜こーとーしーもーやーってっきったぁ〜あ』
「るせぇな、耳障りな歌うたうな」
『恋人がサンタクロ〜ス』
「おい」
『ラーストクリッスマスにゃらららーららん』
「歌詞あやふやじゃねぇかよ」
『クーリースーマスキャロルナイッ』
「何がしてぇんだお前は」
『あたしが選んだクリスマスベスト、ナウオンセール』
「頭大丈夫か」
『あら晋助くん、いたの』
「…」
『トッシー遅いなぁー』
「あいつはどこまでケーキ買いに行ってんだか」
『てかクリスマスだっつーのに、本当暇人ばっかだよね、みんな』
「お前も人の事言えねーだろ」
『いーんだよあたしは、クリスマスとか興味ないし、キリスト信者じゃねーし』
「(こいつ本当に女か…)俺も同意見だけどよ」
『あれ、彼女は？』
「彼女なんかいねーよ」
『あぁ、あんたの場合みんな性欲処理になるのか、最低変態カスハゲ』
「…(この女いつか絶ってぇ犯す！)」
ピーンポーン
『あ！ピザ来たかな、銀ちゃ〜ん！お財布〜』
「全蔵のがその辺にあるだろ」
『あ、…チッ、諭吉しかねぇや、まぁいーか』
「あいつ昨日給料日だったからな。二、三枚くらい無くなってもバレねーだろ」
『ラッキー、お釣りもらっちゃお』
「(全蔵には黙っといてやろう、かわいそうだからな)」
「つーかクリスマスっつったらチキンじゃねえの？チキンと苺牛乳じゃねぇの？」
「きもちわりーんだよ、一人で飲んでろ」
「総悟に帰りチキン買ってくるようにメールしとくか」
「あいつに頼んだら、倍の料金で請求されんぞ」
「…やっぱトシに頼むか」
「ついでにシャンパンも飲みてーな」
「あぁいーね」
「…」
「…」
「何か俺ら、兄弟でこんな盛り上がって寂しくね」
「言うな天パー、それに女がいるだけいいだろ」
「女？…あぁ」
「一応」
ガチャ
『やった〜六千円も臨時収入入った〜』
「…」
「…」
『はいピザ、早く並べて支度して』
「おぅ」
「でけーなコレ」
『あ、トッシーからメールだ』
「…(あいつもメールとかすんのか)」
『今買ったって、ついでにシャンパンとチキンも買ったってさっすがトシ！』
「何で俺に返事返さねーんだあいつ」
『総悟とさがるももう帰るって』
「お前全員のアドレス知ってんのか」
『や、晋助のは知らない』
「何で俺のは知らねーんだ」
『興味ねーし、メールすることないし』
「何でだよ」
『あたしはあんたとたわいもないメールなんかしたくない』
「こっちの台詞だバカ女」
『つーかメールなんてほとんどしないけどね！』
「まぁ確かにな〜俺携帯なんてもう二年くらい変えてねーもん」
『銀ちゃんのボロボロだもんね、デコメールできないでしょそれ』
「…(デコメールって何だよ)」
ガチャガチャ
『あ、帰ってきた！』
「晋助、皿並べろ皿！」
「…チッ、何で俺が」
『ごちゃごちゃ言ってねーで早くしろやハゲが』
「ただいま帰りやしたーい」
「あったかいね〜ただいま」
『お帰り〜総悟、さがる』
「ピザうまそー」
『トシは？』
「あァ、外じゃね？」
「あ！」
『え？』
「あいつ両手一杯に荷物抱えててよ、面白かったからそのままにしてきた」
『ドア開けれないんじゃん！ケーキ食えねーだろ！さがる早く開けて来て』
「うわー俺絶対殴られる…」
『両手塞がってんだから大丈夫だよ』
「あ、そっか」
「おい、支度出来たぞ」
『ナイス晋助ー』
「もう食っていいか俺腹減って死にそうなんだけど」
『空気読めよテメェ、全員座ったらね』
「…」
ガチャ
「総悟！テメェ見てみぬふりしやがったな」
「あれマヨラー、いたんですかィそらぁー気付かなかったや〜」
「しらばっくれてんじゃねぇぞコルァ！」