ショート集

授業風景
1ページ/1ページ

『銀ちゃん教科書見ーせーて』
「お前また忘れたのかよ」
『ロッカーにあるんだけど取りに行くのだるい』
「ったく休み時間に行けよなちゃんと」
『ごめんごめんごー』
「お前が忘れたんだからお前が机くっつけろよな」
『あいあいさー』
「よし、おら」
『ありがとう優しい銀ちゃん』
「俺はいつでも優しいの」
『そうですねー』
「特に女子には」
『そうですねー』
「その上顔もいいからなー」
『そうですねー』
「だからモテるんだな」
『でも土方と沖田の方がチョコもらってた』
「おま、それ言うなよ〜」
『あ、気にしてたんだ』
「あれは屈辱的だった」
『まぁ仕方ないよ、あたしだって付き合うとしたら土方選ぶもん』
「はぁあ?何でだよ」
『総悟は性格に難あり過ぎだし、銀ちゃんは変態だし足くさいし、土方が一番まとも』
「お前さらっと辛辣な事言うな」
『でも土方ヘタレだからなぁ』
「あぁあいつはヘタレだな」
『銀ちゃんも人の事言えないけどね』
「まさか」
『あとはー、高杉もいた』
「あいつはダメだろ」
『背が小さ過ぎるから恋愛対象にさえ入らない』
「お前笑顔で辛辣な言葉吐くな」
『やっぱり辰馬かなー』
「あいつこそ変態だろ、病気持ちだし」
『でもお金あるし』
「お前サイテー」
『銀ちゃん、世の中ね、金なんだよ!金』
「そんな事ねぇだろ、お前はまだ若いんだから純粋な恋愛しなさい」
『銀ちゃんに言われたくないなー』
「俺チョー純粋、ミスター純粋」
『あたしだってミス純情よ』
「どーこーがーだーよ」
『もう銀ちゃんうるさい』
「お前がバカなこと言うからだろ」
『銀ちゃんじゃん』
「俺がいつバカなこと言ったよ」
『ミスター純粋とか、意味不明』
「お前こそ」
『あたしは誰がどう見たって純情だし純白だよ』
「ははははは」
『ねぇザキ?』
「え?あ、うん、えっと」
「ザキ困ってんじゃねーかよ」
『残念だね銀ちゃん、ザキはあたしの味方だから』
「あーそー」
「あ、あのさ二人とも」
『どしたザキ、はっきり言ってやんなよこの分からず屋男に』
「ザキ、そいつの言う事なんか聞き入れなくていいからなー流せ」
「いや、あの、今授業中」
『ん?』
「あ、」

「そこの二人廊下に立ってなさい」


/220402

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ