Thanks a lot

□年賀状
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「深山木ッ!」

ばたばたと、他人の家に派手に上がり込む。

「おや、いらっしゃい」
「あ、座木。あけおめ!」
「明けましておめでとうございます」

くすくすと笑いながら、座木が当たり前のように迎え入れてくれた。

「何なの?新年早々、騒々しいね」
「ちょっと深山木!あんた字、汚すぎ!」
「…新年最初の挨拶が、それ?」

途端に小さな子どもみたいに、むすっとした彼の前に、家から持ってきたハガキを突き出す。
ずっと手に持っていたから、少し曲がってしまっていた。
慌てて、テーブルに押し付けて平らにする。

「…年賀状、ですか?」
「そうだよ。コイツからのね」

ひょこ、と覗き込んできたリベくんに説明する。

「表はパソ打ちだから、郵便屋さんにご迷惑を掛けずに済んだけど」
「あ、だからちゃんと届いたんですね。でも師匠、年賀状なんて書いてたんだ」
「一応、私が欲しいって言ったんだけどね。読めなきゃ意味ないと思うわけよ」
「確かに」
「こら、そこ。何、納得してる」

深山木がリベくんの頭を叩こうとしたので、すかさず間に手を入れる。

「こら、子どもをイジめるな」
「なら、僕のことはイジめても良いって言うんだ?」
「嘘泣きもしない!」

素早くツッコむと、本当に嘘泣きするつもりだったのか、ぺろりと舌を出した。

「大体さ、ちゃんと内容は伝わってるんだから、怒ることないと思うんだよね」
「まっっったく伝わってませんけど?」
「何言ってんのさ」

私の呆れた台詞に、呆れた声で返された。

「だって、これ。“明けましておめでとう。お正月も遊びにおいで”って書いてあるじゃない」

ちゃんと来たでしょ?と可愛らしく首をかしげる仕種に、思わず頬が引きつる。
私は元旦から、深山木に踊らされてたって事か?

「折角いらしたんですし、良かったらご一緒しませんか?」

ふいに背後から声を掛けられて、一瞬会話についていけなくなった。

「…何に?」
「これから、お雑煮とおせちを食べるんです!俺も手伝ったんですよ!」
「そうそう。昨日いそいそと詰めてたヤツな」

にこにこと笑う彼らを見ていたら、何だか気が抜けてしまう。
急に、お腹も空いてきた。

「じゃあ喜んで、頂いていきます!」

今年もまた、こんな風に過ごすんだろうな。
また1年、よろしくね。


〜あけおめ!〜



―――Fin.Thank you for Reading!!
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