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□ガールフレンド
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「あーっゼロイチ!」
「げ」
「何?誰?」

零一と2人並んで歩いていると、背後から元気よく声を掛けられた。
それにしたって、零一をゼロイチ、とは良いセンスをしている。

「やっほー!…って、あれ?今日は1人じゃないんだ?」
「あぁ、まーな」
「初めまして、だよね?コンニチハ」

ぴょこ、と色素の薄い頭を下げる彼は、高い声の割に高校生くらいに見えた。
やたら美少年だが、零一に向ける笑顔の人懐っこさを見ていると、嫌な感じがしない。

「どーも、今日和です」
「ゼロイチの親友の、深山木秋です」
「誰が親友だ!」
「だから、僕とゼロイチ」
「断じて違う!むしろ友達ですらない!!」
「!…じゃあ、恋人?」
「!?ばっ秋、てめぇ、ふざけるのも大概にしやがれ!!」

顔を真っ赤にして怒る零一と、けらけらと楽しそうに笑う深山木くん。
あぁ、何だか彼らの関係が垣間見えた気がする。
でも結局、仲は良いってコト、なんだろうな。

「で、そちらの女の子は?」

ふいに深山木くんが、私に矛先を向けた。
にこ、と笑う顔は、零一に対するときより幾分、愛想笑いだ。

「ガールフレンドさんで良いのかな?」
「ガール…うん、まぁ、そうです」
「うわぁ、大胆発言!じゃあ、僕はお邪魔にならないうちに行くね」
「え、別に邪魔じゃないけど」
「いや、邪魔だから」
「やだなぁ、ゼロイチってば、素直じゃないんだから」

ふふ、と笑った彼は、約束があるんだと手を振って、あっさり立ち去る。
嵐のようだったな、と思いながら見送ると、隣で零一が深い溜め息をついた。

「楽しいねぇ、深山木くん」
「やめとけ。アイツに関わるとロクなことがねぇ」

何を思い出したのか、ぶるっと身震いまでする。

「そういえば、お前」
「ん?何?」
「ちょっと位、照れるとかないのかよ」
「…何に?」

見ると、零一が不機嫌そうに眉間を寄せている。

「秋の台詞、あっさり肯定してたろ」
「アキのセリフ…あぁ、さっきの」

何を照れる必要があっただろう?


「だって、女友達ってコトでしょう?それくらいで何を照れるのさ」


きょと、と見上げると零一も、きょとん、と見返してくる。
たっぷり10秒は見つめ合って、彼がおもむろに大きく息を吐き出した。

「結局、俺ばっかりかよ…」
「え、何が?」
「何でもねーよっ」

がしがし、と勢いよく髪をかき回される。
文句を言おうと睨み上げると、むすっとした彼と目が合って、結局何も言えなくなった。

…いつか、『彼女だよ』って紹介して貰えるようになると、良いんだけどな。


―――Fin.Thank you for Reading!!
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