Thanks a lot

□your choice
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「おかえりー、遅かったやん」
「あぁ、ちょっとクラスの奴に会ったんだ」
「ふ〜ん。あ、何?お土産?」

歩が袋から取り出した小箱に、火澄が目ざとく気付いた。
買ってきた品を冷蔵庫にしまっている横で、カタカタと箱を振ったりしている。

「なー、コレどしたん?どう見てもチョコレートやんか」
「貰った」
「誰に?」
「誰でも良いだろ」
「うん…まぁ別にえぇけど。クラスの子?」
「あぁ」

話しながらも、火澄は箱から手を離さない。

「告白は受けん、て言うてたんとちゃうん?」
「別に、告白は受けてないぞ」
「もろただけやから?」
「そうじゃなくて」

ビニール袋の中身を全て出し終わった歩が、ひとつ息を吐いて向き直る。
頬杖をつく火澄の額を人差し指で、ぺし、と弾いた。

「いった!何すんねん」
「変な顔するんじゃない。チョコレートを1人じゃ選べないから、探すの手伝ったお礼にって貰ったんだ」
「でもこれ」
「俺が誰に何を貰おうが、俺の勝手だろ?邪魔だから、もう向こう行ってろ」

ひょい、と火澄の手から箱を取り上げると、反対の手を振る。
渋々リビングのソファに移動した火澄は、キッチンに背を向けて独りごちた。

「だってあれ、誰がどう見ても、本命チョコやんなぁ」

既に夕飯の支度に取り掛かっていた歩に、その言葉が届いたかどうかは分からなかった。


-END-

何となくジェラシー火澄が書きたかっただけなんです。
「どういう風の吹き回し?」てなもんで、説明のない歩にムッとしてるだけなんですが。
こうやって書くと、ちょっと脈がありそうにも見えますね(笑)
これでヒロインが火澄の想い人だったりしたら、ますます楽しいなぁ、とか思いながら書いてました(酷)

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