ROMAN
□〜恋は雨のごとく流るる〜
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第8章
「いつになったら鰤夜国の陛下が倒れた〜。あの清介殿が倒れた〜。っていう知らせが入るのかな〜。
全然入らないんだけどそんな話。噂でも風の知らせでも耳に届かないんだけどー。どうなってるの?」
「はっ。申し訳ありません。」
そこにいた2人はただ目を合わせることも無く話を続ける。
1人は縁側に腰を下ろし緑茶を飲んでいた。
「やっぱり自分で淹れたお茶が一番だね。でさ?君本当に仕事してきたの?もうどれぐらいたったと思ってるの?」
「申し訳ありません。」
「あやまるだけならもういいよ。もう下がって。」
「はっ。ですがちゃんと仕事はしてまいりました。通りかかった侍女にちゃんと渡しました。」
「分かったよ。ってかもうそれ何回も聞いたからさ、バーイバーイ。」
1人はただ黙ってその部屋を後にした。
「早くしないと・・・禅にぬかれちゃうよ〜。」
そういって彼はただ微笑んだのだった。