ネタ小説

□料理が最凶の女
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容姿もそこそこ綺麗で、性格も明るく気立てが良いマネージャー。
仕事もそつなく熟す為、部員達からの信頼は厚い。
が、
そんな彼女にも悲しいかな、一つの弱点があった。

それは

料理が最凶という事。

味どころか見た目も凄まじく、異臭のする料理。
普通にドリンクを作ろう物ならまず飲めない。
固まってるから。
ドリンクが固まるってどういう事ですか?部員達は初めて渡されたドリンクに自分達も固まる。
それでも恥ずかしそうに照れながら「美味しい?」なんて上目遣いをされたら男としてどうよ。
彼らも男だ。此処は潔くドリンクを【かみ砕いた】
トイレに直行したのは言うまでもない。

それからも彼女からの差し入れという名の【凶器】を食べつづける。

ある時はレモンの蜂蜜付けというマネージャーの基本の差し入れも、彼女にかかればレモンのハバネロ付けに変わる。何故にハバネロ!?彼女いわく

「辛いものは身体に良いって聞いたし、燃焼にも良いでしょ?」

彼女なりの気遣いです。
しかしそんな気遣い不要だろう。毎日毎日過酷なトレーニングで燃焼しまくってるのにまだ燃やせと!?
ミイラにするつもりか!?

またある時は、合宿でカレーライスという誰が作っても美味しい筈の料理も、あら不思議、彼女の手によってどす黒いカレーへと変貌を遂げる。

「皆さんの健康を考えて、栄養価の高い物を入れてみました!!野菜はジャガ芋人参玉葱、南瓜に茄子とブロッコリー。ニラにオクラにゴボウとゴーヤを入れてみたの。栄養満点だね!!」

いやいやいやいやいや。
前半はともかく、後半は明らかにおかしいだろ!!

部員全員の気持ちは一つになりました。

「後、カルシウムも忘れちゃ駄目だから…」

まだあるのか!!?寧ろ忘れてくれて結構です。

「ニボシと雑魚をミキサーにかけて煮詰めてみたの。皆よく怪我するし、骨を丈夫にしなきゃ」

カレーライスにニボシをいれたのは恐らく彼女が初めてではないでしょうか?
生臭い臭いが漂う鍋を見て、部員達の顔は真っ青から真っ白へ。

「さあっ!!召し上がれ!!」  



満面の笑みでお皿に盛りつける彼女の指には沢山の絆創膏。

さて、
彼らは無事食堂から戻ってこれるのでしょうか?


予断
彼女は腕が最凶のではく、舌が最凶なのです。このカレーライスも普通に食べれます。
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