トリップ少女の受難

□さよなら、僕の世界
3ページ/9ページ





騒がしさが増す一方、本人達は気にもせず教室の前で話してる。うざ。

少しは周りの事も気にしろ。



「じゃあな」

「うんっ!!後でね景吾!!」  
「昼休み屋上でなっ!!」

「がっくんの大好きなおかず作ってきたからね!!」

「やりぃ〜っ!!!」

「ほないこか」




入ってくる。
僕はあいつらと同じクラスメイト。自分の席に座り鞄を片付ける音がする。頼むから声なんか掛けるなよ。   



「ちぃーすっ、侑士」

「おはようさん。自分朝から元気やな」

「元気が俺のポリシーですから」

「はは、自分らしわ。…………おはよう〇〇さん」




呼ばないでくれと願っても叶わない。僕の名前ではない名前で僕を呼ぶこの世界。
〇〇って誰だよっ!!!




「……おはよう……」

「なんや寝ぼすけさんか?」

「………別に……」

「〇〇っていっつも寝てるよな〜」



眠い訳じゃない。
お前らを視界に入れなくないだけだよ。お前らを見ると、これが夢ではないと突き付けられるようで嫌なんだ。



「別に…何時も眠い訳じゃないし…」

「ほんまおもろい子やんな」

「だよな、侑士見て騒がねぇなんて小泉ぐらいだと思ったのによ」

「伽奈は特別や」

「うわっ出たっ!!侑士の小泉大好き病っ!!!」

「あほ。そんなんちゃうわ」







煩いからどっか行け。

首元まで出かかってる言葉が出せずにいらつく。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ