トリップ少女の受難
□この世界の新しい住人
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「お〜いおまえら、席に着けぇ」
担任が入って来てクラスが静かになる。斜め前に奴が戻り黒板が見づらい。
どうせ僕はチビだよ。
「おはようさん」
「ちぃーす」
「どうも」
「なんや、またご機嫌斜めなん?」
「寝起き悪くてね」
糞神のせいなんて言えない。先生が転校生の事を言うと少しクラスがざわめき、先生の声で転校生がクラスに入って来た。
「はじめまして、二宮あかりです。宜しくお願いします」
「おぉ〜美人じゃんっ!!」
「綺麗だなぁ〜」
クラスの男子が騒ぎ出す。確かに転校生は綺麗な容姿をしている。彼女が歩くだけで男子が振り返るぐらい魅力的な人だ。けど…
一瞬だけ目が合った気がする。正確には僕じゃなく、斜め前に座ってる伊達眼鏡男を見たんじゃないだろうか?こいつも信者か?
関係ないけど。
「二宮の席は…あそこな」
「はい」
彼女は空いている席に向かい座った。
「よろしくね」
「ああ、よろしく」
彼女の隣は伊達眼鏡の隣。僕からすると、斜め前右の席だ。なんというか、お互いが美形同士だからより一層輝いて見える。
サングラス買っておくべきか。
ある方向からの視線。
あいつか。
そんな顔をしてるとばれるんじゃないんですか?
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