青空少年。
□T
1ページ/4ページ
俺、田辺透。
立海に通う何処にでもいる普通の男子中学生だ。
因みに三年。
部活はサッカー部で補欠。ベンチ入りはしてるけど試合には殆ど出た事がない。勉強も中の中。悪くもなく良くもない、平凡という名に相応しい男だ。
今日も何時も通り練習を終え、部室に戻る途中、女子の騒がしい声がした。
「きゃあぁぁーっ!!」
「幸村君ーっ!!」
「仁王先輩格好良いー!!」
何事かと思えばテニス部か。うちの学校のテニス部は全国一の強豪。全国大会で二回も優勝している凄い部だ。オマケにレギュラー全員イケメン。そりゃ女子も黙ってないよな。
その声援の十分の…いや百分の一でもサッカー部にあったら都大会ぐらいは勝てる気がする。ま、有り得ないけど。
サッカー部のレギュラーだって人並みの顔立ちが揃ってる。運が悪いのか、テニス部のすぐ隣で練習をしている為、全くもって目立たない。テニス部の声援が煩いせいで、男子も応援どころかチラ見すらしない。
さっさとサッカー部から遠ざかってしまう。
悲しい事に強くもないので、学校の生徒から「うちにサッカー部なんてあったっけ?」みたいな感じだ。
.