X・Drake

□It is not possible to return
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 「もう来ないかと思っていた」


彼は嬉しいような困ったような表情を浮かべながらこちらを見つめている。
そして、そっと私の顔に触れた。

目元を撫でるその指を感じながら私も彼を見つめ返す。


「…自分でも来てはいけないと分かっているのに、気がついたら此処にいたの」


 ドレークはため息を吐いたが、どこか優しげだ。
見つめ合っていた視線は静かに外れ代わりに互いの唇が重なり合う。



 「俺もお前ももう後戻りはできない」


 二人の背後には“正義”の名を掲げた獣たちが息を潜めて近づいてくる。


「戻るつもりもないわ」


そう言って軽く笑って見せると彼は嬉しそうに微笑んだ。





【It is not possible to return】



 もう来た道は引き返せない。


私はあなたの傍にしか行くところがないの。




(END)

〜*あとがき*〜

 短い(^_^;)

2009,8,23

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