僕は、久坂葉子ではないが、忘却で生きている。
忘却が僕を生かしてくれる。

福岡の新宮町という場所で生まれた。
幼稚園の年中の時、僕は鮮明に覚えている。
当時、親の都合で引っ越し、田舎のお寺に併設された厳しい幼稚園に入った。
毎朝、寒風摩擦や仏法の時間など、今までに行っていた幼稚園とは違い、馴染めず戸惑った。
方言も違い、習慣も違う、郷に行けば、郷に従えと言うが、その頃からひねくれていた僕はそれらが嫌でたまらなかった、それ以上に厳しかったのは、園児達だったよそから来て、規則に従わず、違う方言を話す、それは受け入れられる事はなく、僕は幼稚園に行く事をやめたいと母に言った。
母は、それを当然受け入れられる事はなく、嫌々連れて行かれ、それに泣くしか抵抗を知らなかった。
しかし、今日は違った何時ものように幼稚園に連れて行ってもらい、車から母が先に出たときに中から車の集中ロックを閉めて、籠城をしたのである。

小一時間たてこもった挙げ句にようやく僕の待ちに待っていた「もう幼稚園には行かなくていいから、出ておいで」と云う言葉をもらい、とても嬉しく喜びドアを開けた僕は、開けた瞬間に裏切られた。
二人の先生が両腕をつかみ、僕を取り押さえ、母は車で立ち去る。
その時、僕は裏切られた虚しさで泣いた。
そして恐ろしい事に、嘘を付いてもいいんだと感じた。

その後、僕は嘘を付き親を騙して生きていた。
中学に入り、いつものように嘘で体調不良を訴え、授業をサボリ保健室に屯してい、その時に僕の今までの人生観を変える出会いがあった。
そこには、色白の髪の毛の長い女性が居た。
話を聞くと、同級生らしいが今まで、家庭の都合で学校には来ていない人だった。
保健室の先生に呼び出され、その彼女の友達になって欲しいと頼まれた。
僕は彼女の人間を信じないそのオーラを感じたが、先生に言われたから、その日は一言・二言話、終わったが、次の日もまた次の日も話していくうちに次第と打ち解け、同世代の男女が、恋愛関係になるには時間はかからなかった。

その彼女には兄がいるが、彼女はその兄に迫られ肉体関係になったが、それが親にバレ、頭のいい兄だった為に兄はお咎め無しで、彼女だけが自宅で軟禁されたのである、その時に彼女は精神が混乱し、リスカや病院に行き出してからは、ODなどをするようになっていた。
最初は、彼女のリスカなどに悩み苦悩したが、次第にODを一緒にするようになった。
高校に進学すると、やはりお互いに人間関係・規律・規則などに馴染めなかった僕等は一緒に死ぬ事にした。
ホテルで激しく抱き合った後に、一緒に薬を飲み死を選んだが、無知だった事もあり、救急車で運ばれた後に、未遂で終わった。
この一件以来、彼女の家の逆鱗に触れ、また行動により別れざる得ない事にはなったが、今も互いに違う生活を描き、違った楕円形を進んでいるが、ある一点で交差する時、会ったりしている。
OD、スニッフ、リスカ、色々と経験させてもらった。
それから、就職などをしたが、馴染めず4回の自殺未遂。
最近では、若白髪が出てきて、死しか夢がない生活を送っています。

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