□純愛横恋慕
4ページ/7ページ








「長谷川さん、はぃ」

「ぇ、ぁ、ぁぁ。ありがとう、銀さん」

「熱ィから、気を付けて」

「ぉぅ」








リビングに着いて、ソファに座っている長谷川さんに湯のみを渡す。

もちろん、薬入りの方を。

そのまま、俺は自分の湯のみを持って、長谷川さんの隣に腰掛けた。

湯気立つお茶をふーふーと冷ましながら、ずずず、と口の中に含んでいく。

なんのことはない、ただのほうじ茶だ。

ちらり、と隣を見れば

長谷川さんも、ふーふーと冷ましながら、ズズ、と茶を啜っている。


どれぐらいで効力が出るのか、とか

即効性か、それとも大分後からクるものなのか

それはヅラから聞いてないし、説明書なんてものは一切なかったのでわからないが。

まぁ、夜まで神楽達は帰ってこないし、気長に待つのも悪くはないだろう。

そう思い、ズズズ、と更に茶を啜る。

すると、長谷川さんはふいに話し掛けてきた。










「ぁ、あんさ、銀さん」

「なに?」

「今度さ、あそこのパチンコ店が新台入れ替えなんだってよ。良かったら一緒に…」

「ぉぅ。別に良いけ、ど…」









くるり、と俺の方を向いた長谷川さん、

俺も長谷川さんの目を見る。

目が合った瞬間、

長谷川さんの顔から笑みが消えた。


ぇ、?と思って目を見開けば

次の瞬間、


ボフンッッ!!!


という効果音が付くのが正しいぐらいに、長谷川さんが耳まで…ぃゃ、首筋までもを真っ赤にする。

ますます意味がわからなくなった俺をよそに、

長谷川さんは机に湯のみを置き、自分の胸を両手でぎゅぅ、と握った後、

急いで俺から顔を背けるように明後日の方向を向いた。










「ぇ、ぇ?ちょ、長谷川さん?どしたの??;;」

「っ、ゃ、な、なんでも…なぃ…っ」

「なんでもないってこたなくね?ちょっと、こっち向いてよ長谷川さ…」

「ゃ、ヤだっ!!触んないで銀さんッッ!!!」

「ぅいチっッ!!?」








どうしたもんかと長谷川さんの肩を掴んでこちらを向かせようとすれば

バシーン、と勢い良く手を叩かれる。

手がジンジンと痛んだ。









「…長谷川さん…俺のこと、嫌…?」

「ぇ、へ…っ?!」

「だって、ヤなんだろ?手、振り払うし…」

「ち、違う!違う…っッ!!」









ちょっとショックで、

手を擦りながら拗ね気味でそう言うと、

未だ真っ赤な顔のまま、長谷川さんが必死な表情で俺の腕を掴む。

そして、俺を真っ直ぐに見つめる。


…が、やはりハッ!、となってすぐ下に俯いてしまった。









「長谷川さん?俺、ハッキリ言ってくんねェと、わかんねェンだけど…?なに、俺なにかした??」

「ち、がう…っ違う、けど…っっ」

「じゃぁ、なに??」

「………そ、の……っ」

「ン?」

「か、」

「か?」





















「銀、さ…が……格好良すぎ、て…っドキドキする、から…っっ」























ほわっつ?

ぇ、なにソレ

そんな涙目うるうるで下に俯きながらンな可愛いこと言われても。

ぇ、マジですか。

アレですか、コレはアレなんですか

惚れ薬?惚れ薬の効果??



ぇ。すごくね?

顔見ただけで真っ赤になるとかすごくね??

ちょっとオイ、どんだけ長谷川さん元々俺のこと愛してくれちゃってンのよ。

嬉しすぎるじゃないかコノヤロー。






俺は内心自分もドキドキしつつ、

はぁはぁと興奮気味のまま、目の前の長谷川さんの身体を、勢い良くソファへと押し倒した。

据え膳食わぬは男の恥!!!

よっしゃじゃぁいっただっきまぁーーす!!!











「ッっ!ぁ、ゃ…っャだ銀さん…ッっ、見ない、で…っ」

「なんで…?」

「ゃだ…っゃっ…ドキドキ、する…っっ」

「…良いじゃん…俺のこと、それだけ好きってことでしょ?」

「そ、だけど…っ心臓、持たな…っ」

「……ね、長谷川さん…えっちしよ…?」

「ぇ っ!?」

「ね?」

「駄目ッっ、今は、だめ…っっおかしく、なっちゃ…ッっ」

「大丈夫だから…俺にまかして…??」











俺は妖艶に微笑んで、

ちゅ、と長谷川さんの唇に、キスをした








.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ