銀
□酷い男
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『ねぇ…長谷川さん。俺と付き合わない?』
最初聞いたときは、冗談かと思った言葉─。
酔ってるんだと思い
「バカな事言うんじゃねぇよ。」
と軽くあしらった。
そしたら…
「冗談じゃねぇよ?俺はシラフだよ。長谷川さんも溜まるでしょ?女とヤると後がめんどくせぇからさ〜、オトモダチの長谷川さんなら俺抱ける気がすンだよねぇ…。」
と、言いやがった。
何がオトモダチだ。
要はていの良い性処理役じゃねぇか…。
ギリッと歯を食いしばる。
悔しかった───。
俺がどんな想いをしてコイツの前に立っているのか…
コイツは知ろうともしない…──
好きな相手に
「付き合わないか」と言われたのは正直、死ぬほど嬉しい
でも、その理由が気にくわない。
愛が無いなんて耐えられない…
でも、それでも
こいつの、銀時のそばにいたい───。
「それもそうだな…───。」
「だろっ!」
笑っている…。
いつもと変わらない銀時が居る
大丈夫だ…。
隠し通せるさ…
この関係を飽きて、元の飲み友に戻るまで
俺の気持ちを封印する。
ただ、それだけ──。
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