□黒と白と灰色と
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例えて言うならオレは黒でオメェが白
まるで違う世界に居る2人

似ても似つかない
遠すぎる存在



黒と白と灰色と


最初は興味本位で近付いた
珍しく、銀時や桂が心を開いてる相手だと聞いたから…
どんな奴か気になっただけだった

「…お前が長谷川泰三か?」
「うぇ?アンタ誰?」

初めて会った時、泰三は泥だらけだった
偶然、通った路地裏で見つけた
誰からか追われているのか積まれているゴミの陰に膝をたたみ息を殺し隠れていた

「銀時と桂の古い知り合いだ。」
「あ…、そうだったんだ。」

へにょ、とだらしなく笑い、よろしく。と言ってきた

「…信じるのか?」
「え?嘘なの?」
「いや、嘘じゃないが…」
「なら信じるよ。」

これは予想以上に面白い奴かも知れない

オレは、きょとんとしている長谷川に近づき触れるだけのキスを落とした

「へ……?」

長谷川は何が起こったかまったく分かっていない様子だった
それが面白くて、無意識に笑っていた

「また来る。」

それだけ言って、その場を後にした

これは掘り出し物を見つけたかも知れない

ただ見てみるだけで満足な筈なのに、実際会ってみると平和ぼけしたオーラが珍しくて
また会ってみたくなった
話してみたくなった

キスは、印
"お前はオレの獲物" "所有物"の意を込めて



存在する世界は違えど、必ずオレの世界へと引きずり込む


例えば、オメェの居る場所は殺伐とした戦など無い白の世界

オレは、裏切り、騙し合い、腹のさぐり合いが当たり前の孤独な黒の世界


混ざり合えば互いが、汚れる

白は白でなくなり
黒は黒でなくなる

互いを汚し合う


だが、灰色もたまにはいい

適度なスリル
適度な関係

そんな生暖かい世界もいいかもしれない





愛や恋など知れたこと

そんな甘いのはいらねぇさ


ただ興味があるだけ

子供が玩具を欲しがるのと同じ感覚なだけ


今はそれだけで充分だ





end


最近スランプかも知れないorz

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