□ありふれた幸せ
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「はっせがーわさーん!遊びぃましょー!」

太陽がてっぺんで煌々と地面を灼熱地獄へ変えている時間帯に、無駄に元気な声が響く

体感温度は、とおに40度近くになっている
汗は滝のように流れ、意識が朦朧として動く気力さえ奪われる
申し訳程度にくる扇風機の風は、高温に蒸された部屋の御陰もあり生暖かく、不快指数を着々と上げていった

話は反れたが、アパートの自室のドアの前でト●ロよろしく声を響かせている人物に多少の苛つきを感じるも、「待たせては悪いかな…」と罪悪感が湧くので
あくまでも、仕方なく気怠い体に鞭打ち、ドアを開けた

「……何?銀さん。」

グロッキー丸出しの声で、目の前で満面の笑みを浮かべている(不本意ながら)恋人、坂田銀時を見る

「あ〜そ〜ぼっ!」

ニコニコと効果音が聞こえてくるのでは、と思ってしまう位、にこやかに言ってきた銀さんを殴りたい衝動に駆られた
だが、ここは冷静に、
でなければ、ご近所さんにご迷惑になるし警察にご厄介になるわけにはいかない

「おっさんに、そんな体力ありません。他を探して下「拒否します。」

言葉を遮り、手をクロスさせバツを作る銀さん………
とりあえず、家に入れよう

「わかったから…とりあえず家、入って。」

これ以上、銀さんを外に居させたら脳みそが今以上にトロトロになって頭空っぽになる

すんなりと家の中に入った銀さんを、横目に流しドアを閉めた







(嗚呼…また不快指数が上昇した。)
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