□代償はお前自身
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逃げるか───

囚われるか───

問われているのは俺…
決めるのも俺…

もし、逃げる方を選んだら?

きっと、アイツの事だ…。ハツや銀さんを…

考えただけで、ぞっとする。
それだけはダメだ…。俺のせいで誰かが傷ついたり、殺されるのはダメだ。

じゃぁ、囚われる方を選んだら?

きっと、二度と太陽の光は浴びれない…

二度と、ハツや銀さん、神楽ちゃん、新八くんには会えない。



自由を取るか
命を取るか



ぐるぐる

ぐるぐる

頭が破裂しそうなくらい考えた。


アイツが迎えにくるまであと数時間…

このまま逃げ出したい衝動と残された人たちへの罪悪感との板挟みが自分を追い詰める


早く答えを出せよと時間が急かす。


逃げたい
捕まりたくない

弱虫な俺

みんなを死なせたくない
助けたい

偽善者な俺


ふたつの思いが、重く冷たい鎖になって俺を、がんじがらめにする。




ちくたく

ちくたく




無情にも時間は止まってくれない。






ちくたく













ちくたく













ちくたく















かちっ──────










「よぉ…、迎えに来たぜ。」








代価はお前自身



逃げられはしない







end
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