ふたり。

いつもの場所。
いつもの時間。
いつもの会話。


「銀ちゃんがそういってたアル」
「銀ちゃんはああしたヨ」
「銀ちゃんだったら…」

「もういい」


あんたのことばをさえぎって
あいつのことをききたくなくて
あんたはおれのとなりなのに
あいつのことしかはなさなくて


「帰る」

「…」


ほらとめてもくれない
あいつがすきなんだろ
わかってるんだよ
でもおれのきもちも
すこしはわかってくれよ


立ち上がる。
歩く。
進む。

進む。


進む。



進めない。







あんたが俺の服の裾を握ってたから。


「何してんですか」

「…」

「…放せよ」

「…」


なぜだろう
あんたがこんなにいとしいのは
おねがいだから
おれのこころをみださないで


「今はお前との時間アル」


ほらまたそんなかおをするから
おれはまたひきとめられる

どうすればいいのか
この恋心。







end.


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