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□『黒×黒』
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「お願いします! アスランさんに渡して下さい!!」
なんで僕が―――…。そう思いつつもキラは、突き出されたラブレターらしき可愛いピンクの封筒を受け取ってしまった。
その途端、安堵した表情をした名も知らない少女は、ぺこりと頭を下げて走り去った。
よくある事だ。放課後、全く知らない少女に、キラは裏庭の隅へ呼び出された。
ただ、アスランの親友ってだけで。迷惑だと、渡したいなら直後渡せばいいと思う。
そんな勇気も無いなら、告白なんかする資格なんか無いし、そんな子に譲る気も無い。
「僕だって、言えるものなら言いたいさ…」
ポソリと口をついた本音に、拗ねた表情になってしまう。
キョロキョロと周りを見渡し人影が無い事を確認して、手にした封筒を中身ゴト破りすてた。
それは、すぐ近くにある焼却炉に放り込む。放課後だから、まだ火が燻るそこは、すぐに灰に変えてくれるだろう。
「次は、自分でちゃんと言いなよ」
呟いて、キラはその場を後にした。