†メルマガBN†
□『遥か遠く、彼方の』
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「ヤマト!頼むな」
「は〜いッ」
皆が忙しく立ち働くデリバリーピザの店の一画。
店長から名指しされた青年は、キラ・ヤマト。
サラサラした薄い色の茶髪、大きな紫の瞳は宝石のように煌めいて。
ここで配達要員をしている彼は小柄で、制服の白っぽい繋ぎは少々大きめで、ずいぶんダボついてしまっている袖口と、裾を一折りしている。
「いって来ま〜すッ」
配達すべく注文のピザを抱え、キラは店を出た。
専用のエアバイクに跨り走り出したトコロで、視界の端に流れた蒼い影。
背中にヒヤリとしたモノを感じながらも、無視してキラはそのまま走り去った。
「見つけた…」
走り去った、エアバイクを見送った彼は、呆れと安堵が入り混じったような深いため息と共に、呟いた。
ラストまでのシフトに入ってたキラは、店長や他のバイトと一緒に、店の裏口から出た。
「「お疲れ様でした」」
声を掛けあって、それぞれの家路につく。
†††
※エアバイク…良く近未来モノとかで、空飛んでるバイク…のつもりです;