リクエスト

□恋は闇
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「土方さん。」
「土方。」


「「どっちを選ぶん(でィ)だ?」」


「なっ!?何なんだよいきなり?」



いきなり人の私室に入ってきたと思ったら、何なんだよまったく…



「俺ぁ今急がしいいんだよ。用があるならさっさと終わらせてくれ。」



吃驚して一瞬落としかけた煙草を再び手にし、俺はようやく終わりがみえてきた書類に目をやった。



「俺達がこんなに真剣に話してんのによぉ、そういう態度はヒデぇんじゃねぇんじゃねぇの?」


「その顔のどこが真剣だコラァ!!俺には黒いオーラが漂ってるようにしか見えねぇんだよ!!総悟っ!!テメエも敵を普通に屯所に入れてんじゃねぇー!!」



勝手に人の私室に入ってきた挙句、不満げな顔をする高杉と、その様子をさも楽しげに見ている総悟に思わず大声で怒鳴った。



「ほら、そんなに怒鳴ってたら血糖値上がりやすぜ?仕方ないでしょ、アンタが仕事ばっかりで中々屯所から出てこないんだから。」


「って開き直ってんじゃねぇよ!!第一誰のせいでこんなに仕事が増えてんだと思ってんだ!?テメエがちっとも仕事しねぇからだろうが〜〜!!」


「それは仕方ないでさァ。コイツが俺の土方さんを横取りしようとするんでィ」



さも当たり前かのようにそう言い総悟は高杉を指差した。

ん?何か今コイツさりげなくすごいこと言わなかった!?



「って誰がお前のだよ!!俺は誰のもんでもねぇ!!」


「おい、今の聞いただろ?だから土方は俺のもんなんだよ。」


「お前もちゃんと人の話し聞けよ!!なんでそこでお前のもんになるんだよ!?



「「ちッ」」



えっ!?なんでそこでお前らに舌打ちされなきゃならねぇんだ?俺、何も悪いことしてないよなぁ!?…しかも何か殺気だってるんですけど〜〜!?



「仕方ねぇ。やっぱりどっちが土方の恋人になるかはこいつで勝負するしかねぇな」


「望むところでさァ」



取り出したのはまさしく真剣、二人とも戦闘体制に入っている。いつ斬り合いが始まってもおかしくない状況だ。



「おいイイイイイイ!!恋人ってなんだよ!?つーか俺のいないところでなに勝手にやってんのオオオ!?」


「お前は何も心配しなくていいぜ」


「いや、心配とか別にしてねぇし!!マジで人の話し聞いてくんない?」


「土方さんは絶対に守ってみせまさァ」


「お前は話しをややこしくすんじゃねぇぇぇ!!」



しかし、土方の訴えも見事なまでにスルーされ、あろうことか土方の私室で戦闘が始まった。



「いきやすぜ」


「おう」


「頼むからやめてくれぇぇぇぇぇ!!」



戦いの規模は凄まじく、箪笥や机なども粉々に壊されるほどに…もちろん、終わりかけだった書類もぐちゃぐちゃだ。

数時間後、戦闘が終わったころには何もかもが破壊され、終わりかけていた仕事も最初からやり直しになった。


土方の受難はまだまだつづく…



end.
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