企画

□秋の匂い3
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何も考えられない。考えたくない。・・・あんなに拒絶されるとは思わなかった。それ程までに自分は嫌われることをしたのだろうか・・・
そんなことを家へ帰ってソファに座ってからもずっと頭の中でぐるぐると考えていると、突然玄関の方から声がした。

「何しけた顔してんでィ」

そこには呆れ顔の沖田が腕組みしながら立っていた。

「・・・俺、完全に嫌われちゃったっぽいわ」

そう言って俺は無理に笑おうとして失敗した。きっと情けない顔だっただろう。
それを見て沖田はため息をついた。

「ほんと馬鹿でさァ。アンタ達には付き合ってられやせんぜ」

「・・・ごめん」

これから説教か。前から思ってたんだけど、沖田って土方のこと好きみたいだし・・・
でも今この状態で説教なんてされたら立ち直れない。や、今でも十分立ち直れないけど・・・・・・

「土方さんが旦那のこと嫌いになるわけないでさァ」

ぼんやりとそんなことを思っていると予想外なことを言われた。俺を嫌いになるわけがない?土方が?

「え・・・?だって俺別れてって言われたし・・・さっきだって俺、拒絶されたし・・・」

冗談はやめて欲しい。さっきだってあんなに拒絶されたんだ。
まだ記憶に新しい土方からの拒絶が鮮明に蘇り、胸の奥がズキズキと刺されるような痛みが襲った。

「近藤さん」

「え?」

「旦那、土方さんに近藤さんの話題振ったりしやしたか?」

「・・・え?そういやしたど・・・・・・」

「だからでさァ。ったく、これだから鈍感は・・・」

いきなり突拍子もないことを言ったと思ったら今度は俺に鈍感だと言ってため息をついた。

「ちょっと待った!全く話しが見えねぇんだけど、何があったの?」

「・・・さぁ?それは旦那が直接聞いたらとうでィ」

話しの見えない俺がさらに聞いても、沖田はニヤリと底意地の悪そうな笑みをたたえるのみで、知りたいなら直接聞きに行けと言う。

「直接って・・・」

さっきの今で俺は躊躇した。
それを見ていた沖田はまたため息をついた。・・・つーか人ん家で何回ため息ついてんだよ。

「早く行きなせィ。それと、今度土方さんを不安にさせることがあったら・・・その時は土方さんは力づくでも奪いまさァ」

後悔したくないのなら、早く行け。
そう言われているような気がした。少なくとも沖田は俺を後押ししてくれているように感じた。
あんなにも愛しい彼を今さら離せるわけもない。もう一度、彼と真正面から向き合おう。

「そんなこと絶対させねぇよ。ありがとな」

「ケっ、俺の気が変わる前にとっとと行きなせィ」

土方のもとへ行くことを決心した銀時を見て沖田は何度目かも分からないため息をついた。






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