企画

□秋の匂い
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何故あんなことを言ってしまったんだろう・・・。

あんな顔をさせたかったんじゃなかったのに。

今になって後悔したってもう遅いけど、





季節はもうすっかり秋になっていて、ついこの間まで二人で過ごしていた夏がひどく遠い昔に感じた。






きっかけは、いつもの嫉妬から始まった。
その時は、またいつものように笑って終わると思ってたんだ。

けれどその日の土方はどこか違っていて・・・、些細なあいつからの信号を察知しなくちゃならなかったのに、俺はそれに全く気付くことができなかったんだ。


「オメェさあ、いっつもゴリラと一緒の時は笑顔だよな〜。スゲーむかつくんですけど?てか、本当に銀さんのこと愛してんの?」


いつもと変わりない会話のはずだったのに、いつもだったらすごい勢いで怒ったり、「ゴリラって言うな!!」とかって言い返すのに・・・


その日の土方は言い返すこともなくただ、


悲しそうに笑ったんだ。



その笑顔を見た瞬間、俺は後悔した。

よくよく考えれば、その日俺と会った時から涙を必死にこらえてる表情をしていたのに、俺は土方に会えた喜びで一杯で・・まるで自分のことしか考えてなかった。


「ごめんな。いつも不安にさせて・・・。もう、俺たち一緒にいない方がいいのかもな。・・ちゃんと、お前のこと愛してあげられなくて・・・ごめん。」

そう言ってあいつは俺の前から離れていった。



そしてそのまま、俺たちの関係は終わりを告げた―――。


・・・・・ちゃんと愛せてあげられなくてってなんだよ。

オメェの愛は十分俺に伝わってた。だから俺は今までその愛に甘えていたんだ。


俺の方こそ、お前のこと


ちゃんと愛してあげれてたのかな?

ちゃんと愛を伝えていれたのかな―――?


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