企画

□そして、彼は気付かない
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それは本当に偶然だった。いつも通りパチンコで一勝負し居酒屋で酒を飲もうと街をふらふらしていると銀時の目の前を恋人である土方が通った。
たしか今日は仕事があると言っていた。それさえなければ二人は今頃それはもう有意義な時間を過ごしていたというのに。それがどうだ、今の土方は隊服ではなく彼の私服である黒の着流し姿だ。これのどこが仕事だというのだ。

もしかして・・・浮気!?

土方に限ってそんなことはないと思っていた。彼は言葉にしなさすぎるし、素直さにかなり欠けるが本当は誰よりも不器用なだけなのだと分かっている。こんなことを言っては自意識過剰と思われるかもしれないが、愛されている自信がある。それなのに・・・
とりあえず真相を確かめなければと空一面オレンジ色の下、銀時はこっそりと土方の後を追い始めた――――――




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