その他
□冬休みが明けたら…
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冬休み中で生徒なんて殆んどいない校内の、しかも応接室の扉の前に、山本が立っていた。
「そんなとこで何してるの?」
「よぉヒバリ!」
話しかけた途端、眩しいくらいの笑顔で僕に手を降ってきた。
冬休みなのだから当たり前かもしれないが、校内で山本の私服を見るのは違和感があるというか、新鮮というか、とにかく不思議な感じだった。
「入ったら?」
応接室の鍵を開けながら山本にそう言うと「おじゃまします」と入ってきた。
それから僕は書類に目を通し、山本は僕の向かいに座ってただ何をするわけでもなく、僕の顔をじっと見ていた。
そんなに見つめてきたら気が散って集中出来ないじゃない。
「何しに来たの?」
書類から目を離さずに、僕は思ったことをそのまま言った。
「ん?ヒバリの顔見にきた」
あっさりとそう言ってさっきと変わらず、僕の顔を見つめていた。
山本か何をしたいのか分からなくてだんだんイライラしてくる。
「別に用がないなら出てってよ」
口をへの字に曲げて山本の方を見ると、「やっとこっち見た」と笑っていた。
「今日で、冬休みも終わりだな〜」
「……まぁね」
ここでシカトしてまたこっちを見つめられるのはいやだったから、ちょっとだけ話しに付き合おうと思った。
「冬休み中はこうやって会いたい時にいつでも会えたけどさ、明日からはそうもいかねぇよなぁ」
「…そうだね」
冬休みがこのまま明けなければいいのに
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