あまつき

□あなたが本意に気付かぬのなら
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銀朱への想いに気付いたのはこんな風に二人で会うようになって少ししてからだったと思う


「さあ、今日は何で勝負しましょう?」


いつものように誰にも秘密で二人で会い


「…将棋以外なら何でもいいよ」


こうやって過ごすのが当たり前になった冬を


「ふふっ、白録さんは本当将棋下手ですもんね?」


「っ!うるさいよっ!!」


いつの間にか俺は何よりも心待ちにしていた


本当は冬だけじゃなく銀朱に会いたいし、側にいたい―――



こんな女々しい感情を抱くこと自体駄目なことだって分かってる

けど

どんどん銀朱を知っていくにつれ、その優しさに触れてしまう度に俺は


戸惑いながらも手をのばし求めてしまっているんだ


「白録さん?」


何も喋らない俺を不思議に思ってか、どうしたのかと心配そうな銀朱の顔が俺を覗き込む


それだけで、


たったそれだけのことなのに、



俺の心臓はドクンと跳ねる


そんな目でみるなっ


何もかも見透かされそうで怖くなる


俺が銀朱に対してそんなことを思ってるなんて知られたら、きっと今みたいな関係じゃいられなくなる


銀朱を友人としてじゃなく、それ以上の意味で好きなんだと知ってしまった俺を銀朱はどう思うだろうか…




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