あまつき
□つめきり
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銀朱が何か企んでる。
嘘くさい笑顔で俺に話しかけてくる時はいつもそうだ。(嘘くさいのはいつもだけど、)
「白緑さん、爪のびてきましたね?」
ムカつくくらいのにこにこ顔でそんなどうでもいいことを言ってきた。一発殴ってやろうか…
とにかく返事をしたらこの後何をされるか分からない。
「………。」
俺は関わらないことを心に決め完全に無視した。
最初は「白緑さぁ〜ん?」なんて煩かったけど、さすがに諦めたのか大人しくなった。
そう思ってたのに…
「じゃあ明日私が爪切りしてあげますね!」
「っ!?ちょっと何の宣言?それに俺は明日ここに来るなんて一言も…っ」
「じゃあ、白緑さんまた明日」
「ちっ、ちょっと!」
ありえない。本当に馬鹿なんじゃないの?
銀朱はそのまま俺に手を振って神社へ帰っていった。
本当に殴っておけばよかった…。
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