text
□雨の日、君と二人で
2ページ/5ページ
それから店で話をして、
暗くなってきたから、サヤカちゃんは帰ると言った。
「危ないから送っていくよ」
「大丈夫ですよー」
「家、どっち?」
「公園の近くですけど、本当大丈夫ですから」
「いいよ、本屋に行こうと思ってたところだし」
「えー、じゃあお願いしていいですか?」
「うん、行こっか!」
店を少し片付けて、外に出ようとしたら、
…傘が無い。
「どうしたんですか?」
「傘、盗られたみたい」
「誰だか知らないけど、ひどいことしますねー」
「まぁいいや、行こう?」
「ピヨ彦さん濡れちゃいますよ!」
「いーよ、大して降ってないし」
「ダメです、風邪引いたら大変です!」
「そう言われても…」
「じゃあこの傘二人で使いましょう!」
そう言って満面の笑みを僕に向ける君。
僕もつられて笑顔になる。
やっぱり僕は、君が好きです。