Novel

□腐ってたっていいじゃない
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BL、CP、受けに攻め。



俺はそんな、少々特殊な趣味趣向を持っている。


その趣味は主に女がハマるであろう類のもので、いや 男がハマってはいけないというものでもないのだが とにかく、俺がそんな趣味を持ち出したのは小学校高学年位からだった。

発端は、幼馴染であるかすがが腐女子と知ってしまった所から。

そこから俺はどんどんと「萌え」の方向性をかすがから教え込まれ、今となっては彼女とは立派な同志である。

男女で同じ秘密を共有し あまつさえ一緒に遠方へ赴いたことがあるにもかかわらず恋仲にならないのはきっとその趣味のせいでもあるだろう。しかも腐男子が彼氏って。

彼女が上杉先生を崇拝しているから、という事も含まれるかもしれないが。




「こたろー」



…来た。

今の所一番の萌を補給させてくれる あいつ が。



「おっはよ。今日も暑いねぇ」


後ろから掛けられる声に振り向くと見慣れた男が一人。

猿飛佐助。

橙色の髪を黒いヘアバンドで後ろへ流し、その整った顔立ちを惜しげも無くさらして 緑のフェイスペイントも最早彼のチャームポイントとなって馴染んでいる。

チャラチャラした所もあるが、明るく社交的で友達も多い。ついでに彼女も多いらしいが。

朝の通学路を歩いていれば 高確率で出会う男。

家が近所だから当たり前なのかもしれないが、それでも最近はより多く会っている気がする。

俺の様な口下手に積極的に話し掛けるなんてとんだ物好きもいたものだ。

俺が気付いたのを見て人懐っこい笑みを浮かべると、佐助は横まで走ってやってきた。

夏の日差しを浴びた橙色の髪がちらちらと光りながら揺れている。
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