Dream
□貴方を守る方法
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「元就!!」
そう言って勢いよく障子を開けたのは、我と瓜二つの顔をした兄であった。
どうかなさったのですかこんな夜遅くにと問えば、兄上は足早に近付き我の前に乱暴に座った。
そして。
「……何故、戦場に出させてくれぬのだ!!」
と。
厳しい口調で 問いただされた。
「この前の戦も、そんなに難しい戦だったわけではないだろう」
「はい、完全なる勝ち戦で、 」
「では何故 私は出られなかったのだ!!答えよ元就!」
「しかしこんな夜遅くに尋ねて来なくとも」
「私はずっと考えていたのだ元就。何故お前は戦に私を出させてくれないのだろうと。何時お前の口からその理由が自然と聞けると思うていたが、もう我慢の限界だ!!」
教えろ!と前のめりになって聞いてくる兄上からは、僅かに酒の臭いがした。
よく見ると顔も赤い。
酒に弱い兄上がこんな風になるまで飲み続けるとは何事かと顔をしかめるが、自分の顔が徐々に近付いてくる。