短編
□制作中
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ベルケンドで検査を受ける為に街までの道を歩いていると視界がぐにゃりと歪む
「あ……れ…?」
急に激しい眩暈に襲われると同時に自分を失うような感覚が押し寄せてくる
失いそうな意識を何とか繋ぎ留めて頭を押さえる
このままだといけないと思いながらも視界は暗闇に沈んでいった
何かが倒れる音に仲間が振り返ると確かな朱の存在
「ルークっ!!」
ガイが一目散に駆け付けると次々と名前を呼びながら後に続く
ルークの身体を抱き起こすと深く瞼を綴じたまま起きる気配は感じられなかった
「急いで街に運び、医者に見せましょう」
「分かった!」
ガイは朱を担ぎ上げると背中に背負う
ジェイドは眼鏡越しから背負われたのを見ると顔色も変わらずまるでただ眠っているかと思わせる
それが逆に不安に駆られた
そのころアッシュは補給の為にベルケンドに立ち寄っていた
陽も傾き始めており、今日はここで宿を取る為に宿屋に足を進めていると見慣れた団体が階段を下りてくる所だった
「ア、アッシュ!」
「…お前達か……」
「奇遇ですね。こんな所で出会うとは」
「…あぁ」
しかし、何かいつもと雰囲気が違う
アッシュは周りを見渡し、朱の存在がいない事に気付くと口を開く
「レプリカはどうした?」
「それは……」
何ともないただの疑問だったのだかそれを聞くとメンバーの雰囲気が一気に暗くなる
アッシュはその様子に眉を寄せて首を傾げると下がっていない眼鏡をジェイドは人差し指で上げた
「アッシュ…ちょうど良かった。今から時間はありますか?」
「あるが……何だ?」
ジェイドやその仲間達の様子の違いに戸惑いながらも返事を返す
「貴方に見せたいものがあります。」
そう一言話すと、先程から来た道を仲間達と共にまた戻って行く
アッシュはしばらくしてから後に続いた
背筋を震わす嫌な予感を抱えたまま