story

□涙のちハレ
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― 春 ―

誰もが新しい生活にウキウキワクワクしている季節。

私は…


「どうしてっ!?どうしてわかってくれないの!?」

「お前は何を言っているのかわかっているのかっ!!」

「お父さんやめてよ!天秤だって本気でなんて言っていないわよっ…」

「私は本気よっ!!人を好きになることがいけないっていうのっ!?」

「バカたれがっ!!そんなことは言っていない!!ただ…芸能人に恋なんてしても無駄だっ!!」



「お父さんなんてお母さんなんてお姉ちゃんなんて…みんないらないっ!!大っ嫌いよ!!」


え?何?話が見えてこないんですけどって?

わかるでしょ。「親子喧嘩」よ。

わかりづらい人の為にこの私、

六条 天秤(ろくじょう はかり)が説明してあげるわ。感謝しなさい。

私には好きな人がいる。

彼と出会ったのは中学の時に友達から借りたMD。

そこから流れる彼の声に私は恋をした。

ファンクラブに入り、ライブに行った。

彼はステージの上でメンバーのだれよりも…だれよりも輝いてた…

彼の声が心がこんなに近くで感じることができる…

私は彼が好き…でも、彼は私のことなんか知らない…

彼はバンドのフロントマン、私は高校生。

普通に考えたら絶対に結ばれることは無い…

でも、可能性は0じゃない…!

私はその時決意したの…

あの人と同じステージに立つと…!

その想いを親に告げた。

んで、冒頭の場面。

真っ向から否定する親にムカついた。

無力な私にムカついた。

だから家を出た。

で、東京にいる。←!!?

実家は長野県にある城下町の一つ。

地理が得意な人はしらべてみればいいんじゃにかしら?

「しっかし…困ったなぁ〜…勢いで出てきちゃったから…お財布とギターしか持ってないや…。」

嗚呼…神様…私…この大都会でどうなっちゃうんだろう?
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