story

□涙のちハレ
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ここは東京。

私は六条天秤。

うん、大丈夫…問題は無い…

否…

大アリだ。

東京に来たものの、私の持ち物は…
☆財布(残金1000円)
☆ギター
☆鞄(中身はポーチと携帯電話)

生きていけないっ!!
どうしよう…親とは縁切ったようなもんだし…

「私はここで死ぬのかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

そう叫んだ瞬間、周りの人たちの痛いほどの視線に気づいた。
大都会で私は一体何をしているんだろう…
あれほど憧れていたこの街が急に生き地獄のように感じた。

交差点のど真ん中で私だけが独りぼっち…
そう考えると涙が止まらなかった。

「うぇっ…ひっく…うぅ…」
「ちょっと!こんな道のど真ん中で突っ立ってんじゃないわよ!!」

どんなに泣いて喚いたって助けてくれるどころか酷い言葉を吐き捨てられる。
この街は…こんなにも冷たくて苦しいものだったの?

「あらあら…どうしたの?あ〜あ〜こんなに泣いちゃって〜♪」

「ふぇ…?」

前言撤回。この街にも暖かな太陽がありました。
その“男”の人は白いハンカチで私の涙を拭うと、にっこりと笑って言った。
「あなた、お名前は?」

どうしてだろう…?この人なら安心できると思ったんだ…。

「ひっく…六…条…天秤…です…」

「はかりちゃん?変わった名前ね〜♪字はどう書くのかしら?」

「漢字で天秤と書いて…はかりって読むんです…」

「素敵なお名前ね〜♪羨ましいわん☆」

「あ…あの…」

「あっ!アタシの名前は雨宮右京よ♪お京って呼んでねん☆」

「あ、はい。あの…お京さん」

「おっと、こんなところで立ち話もなんだし、アタシの家にいらっしゃい!美味しいお茶とケーキがあるのよん♪」

「いいんですか?」

「もっちろんよ〜☆彡さ、行きましょ♪」

神様、私はこんな感じで東京で暖かな人と出会いました。
神様が出会わせてくれたんだよね…ありがとう。
一つだけ…質問してもいいかな?

お京さんは



“男”…だよね?
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