黄泉帰り
□弐話
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翌朝、理事長の個室で話しを聞いた。理事長は黒い髭を床にまで伸ばした老人だった。
「スゲーヒゲ・・・」
理事長に一瞬睨まれた。
「スゲーじゃろ」
・・・ノリのいいじじいだ。
「さてと、本題に入るとするかの」
こほん!と、一息入れて話始めた。
「依頼と言うのは、ここから南のある嘆きの森にある屋敷に居座っている悪霊の退治なんじゃよ。」
嘆きの森?微妙に嫌な感じの名前の森だなぁ。
「奴は寝室に居座っているらしいのだか、いかんせん寝室は住人が生前かけていた封印があるためいろいろと面倒なんじゃよ。」
らしいだの、面倒だの、いい加減なじじいだなぁ。
「そこで、だ。セレル君に行って貰いたいんじゃよ。大丈夫じゃ、わしのジライロ君に頼んでランクだけは調べてもらったから」
?何が大丈夫なんだよ。
「行ってくれるかね?」
セレルの方は行く気満々なんですけど。
「はい!もちろんです。必ずやご期待に添えられるように努力します!」
「うむ!頼んだぞ。」
こうして、悪霊退治の依頼を引き受けてしまいましたとさ、チャンチャン♪
「出発の際は馬車を森まで行かせるからの。なに、なにも焦ることはないからの。三日間準備の期間をやろう。三日後の朝使いの者を部屋に向かわせるからなの。」
「はい。それでは失礼します。」
そう言って部屋を出て行った。