無ノ答

□第弐章
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「いってぇ・・・」

ヒリヒリ痛む傷。
何あの人、マジで容赦ないじゃん。
踏みつけられた腹だったりムチで叩かれた背中、さらには縄で縛り上げられた腕や手、首が痛む。

解放されてからも、どうも教室まで歩く気になれず、校舎のすぐ近くに茂みに座り込んでいた。

「ぅ・・・っ、あーあ・・・」

服のすそをめくってみれば、見事真っ赤に血塗れていた。
いや、やりすぎでしょ。
シャツは処分しなきゃいけないし。今月入って何枚目だよ。ったく。

「っううーっはぁ・・・」

そうだった、まだ帰ってから一睡もしてない。
どうりで瞼が重いわけだ。もう、いっその事寝てしまおうか。
いや、別に寝てしまってはいけない理由なんてないからアレなんだがな。

・・・なんて、考えてるうちに意識は闇の中へと消えていった。




―――――

「・・・ココ、は?」

気がつけば、酷く真っ白で何もない世界に1人立ちすくんでいた。

何もない、何も・・・無イ。

―――。――


「っ!?だ、れだ・・・!」

うまく聞き取れないが、確かに聞こえる。

その声はまるで――今朝の黒い夢のよう。


――零都。


「・・・誰だ。いるなら出てこいよ」


――・・・えは、お前はなぜ――にいる。
なぜ・・――

  
「・・・ハッキリ、言えよ」


――いなくなってしまえ!!―前なんか・・・!

  
「それだけか、・・・言いたいのは、それだけかよっ!?」

  
ハハハ
そんなに消えることが嫌か?お前がこの世にいても誰も喜ばないのに?

  
「黙れ。黙れよ、お前に何がわかるって言うんだ。俺の・・・生き方にケチつけんなよ」


わかるさ・・・オレはお前のすべてを知っている!!

  
「っ、そ・・・んなの、ハッタリだ・・・!」



ハッタリじゃないさ。お前の過去も、未来もわかる。


「っ!!お・・・前、ダレだ、よ」


知りたいか?ならば教えてやる。


“俺”ハ・・・――

  

『零都、オ前ダ・・・――』


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