無ノ答
□第弐章
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「いってぇ・・・」
ヒリヒリ痛む傷。
何あの人、マジで容赦ないじゃん。
踏みつけられた腹だったりムチで叩かれた背中、さらには縄で縛り上げられた腕や手、首が痛む。
解放されてからも、どうも教室まで歩く気になれず、校舎のすぐ近くに茂みに座り込んでいた。
「ぅ・・・っ、あーあ・・・」
服のすそをめくってみれば、見事真っ赤に血塗れていた。
いや、やりすぎでしょ。
シャツは処分しなきゃいけないし。今月入って何枚目だよ。ったく。
「っううーっはぁ・・・」
そうだった、まだ帰ってから一睡もしてない。
どうりで瞼が重いわけだ。もう、いっその事寝てしまおうか。
いや、別に寝てしまってはいけない理由なんてないからアレなんだがな。
・・・なんて、考えてるうちに意識は闇の中へと消えていった。
*
―――――
「・・・ココ、は?」
気がつけば、酷く真っ白で何もない世界に1人立ちすくんでいた。
何もない、何も・・・無イ。
―――。――
「っ!?だ、れだ・・・!」
うまく聞き取れないが、確かに聞こえる。
その声はまるで――今朝の黒い夢のよう。
――零都。
「・・・誰だ。いるなら出てこいよ」
――・・・えは、お前はなぜ――にいる。
なぜ・・――
「・・・ハッキリ、言えよ」
――いなくなってしまえ!!―前なんか・・・!
「それだけか、・・・言いたいのは、それだけかよっ!?」
ハハハ
そんなに消えることが嫌か?お前がこの世にいても誰も喜ばないのに?
「黙れ。黙れよ、お前に何がわかるって言うんだ。俺の・・・生き方にケチつけんなよ」
わかるさ・・・オレはお前のすべてを知っている!!
「っ、そ・・・んなの、ハッタリだ・・・!」
ハッタリじゃないさ。お前の過去も、未来もわかる。
「っ!!お・・・前、ダレだ、よ」
知りたいか?ならば教えてやる。
“俺”ハ・・・――
『零都、オ前ダ・・・――』
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