07/12の日記

21:23
休止中第四回目小ネタ
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久しぶりの小ネタ投降
夏らしく、暑く熱くいこうじゃないか!!


庭球
(夏休みに入り、3年生は引退したという設定です注意)
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「白石、まだ?」

うーんとすぐ俺の隣で一人唸る男を呼び急かす。
俺が面倒そうにそう言えば慌ててもうちょい、と返事を返すコイツの神経がわからん。
アイスなんて、パパっと決めちまえばいいものを何を悩む必要性があるんだか。
恐ろしく冷房の効いた近所のこのスーパーに来て約30分は経過してるのだろう。
それほどまでに、この男、白石蔵ノ介は優柔不断だった。

「どれがいいんやろ」

「・・・ああっ、もう!じれったいなあっ!!これでいいだろ」

ついに俺も我慢の限界だ。
そう叫び、適当にアイスの箱を手に取った。
見慣れた、青を基調としたデザインの箱だった。

「えっ」

「えじゃない、ほら行くぞ」

きっと外に出たら暑いのだろう。
まあ、それでもいい。とにかく早く、この冷房の効きすぎたスーパーから抜け出したかった。


◆◇◆

「お、財前や」

「あ、本当だ」

「先輩?・・・と、部長」

買ったばかりのビニール袋を提げ、俺の後ろを歩く白石が突然声を上げる。
なんとなく俯いていた顔を上げ、正面を向けば少し離れた距離の向こうには後輩である財前がいた。
水道に手をつき、驚いたようにこっちを見つめる財前の髪からは水滴が滴っているのを見る限り、顔でも洗っていたのだろう。
おいてあったタオルで顔を拭きどうしたんですか、とたずねる財前。
俺は白石に目配せをした。

「ああ、これ。みんなに差し入れや」

ズイと白石が差し出したビニール袋に、またもや財前は驚いたように目を見開くと小さくどうもっす、と呟いた。

「あっちにみんないますから、行きましょう」

そう言って俺たちに背を向け歩き出した財前の後姿は以前見たときよりも大きく飄々としていた。
さすが、新部長。
顔に笑みをのせ、俺は一向に歩き出さない白石の背中を平手でたたいた。


end


ちなみにクリームソーダアイス

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