誰よりも好きです、好きです
□誰よりも好きです、好きです
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「はああ!?」
周りの目も気にせず、目の前の浜に向かって大きな声をだしてしまった。
告白した…?
誰に…?
もしかして、名前に?
「おまえ、マジでか、ウソだろ!いつ!」
聞きたいことが多すぎて、浜にぐいぐいと詰め寄った。
俺のそんな行動に、ウッとうつむいて、目をぎゅっとつぶって、浜は声を振り絞った。
「……、すみません、嘘じゃないんです…」
違うんだ、…嘘じゃないことくらいわかる…。
だってお前が部活を無断で休むだなんて、そんな悲しそうな顔するなんて。
でも…、なんで俺に言ってくれなかった?
信頼してくれていなかった?
あの鉢屋の件が、あったから?
「……きょう、の、部活のまえ、に…」
「浜!お前!俺に言わないで…!いきなり本人に言うなんて、頭おかしいだろ!」
自分は頼られてなんかなかったんだとカッとなって
思わず浜を責め立ててしまって、ハッとする。
見開いた浜の目にじわっと、涙がたまっていたから。
「………で、…どう、だった……」
聞かなくても、わかる。
わかるよ、浜、ごめんな。
「振られました、俺…。」
そうか、そうだよな、
「俺の力不足だ、ごめん、ごめんな」
いつもより小さく見える浜の頭を少しだけ乱暴にガシガシと撫でると
違うんです本当にすみません、と俺にひたすら謝る浜。
泣きそうだけど、必死に唇を噛んで耐えていて。
俺も泣いてしまいそうになった。
浜
お前はきっと、お前なりに、
一生懸命がんばったんだよな。
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