ぼくたちの、かあちゃん

□ぼくたちの、かあちゃん (5)
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「かあちゃんの髪の毛、さらさらー」

「ほんとだー、かあちゃん!きれいだぞー」

「ねー、留三郎は器用だね」



留三郎に乾かしてもらって、サラサラになった髪の毛。
いつも面倒くさくて半乾きで寝ちゃうから、ボサボサの時が多いけど
留三郎っていちいち細かいから、そんなこと許してくれず最後まで綺麗に乾かしてくれた。
左門と三之助の髪の毛も上手に乾かしてくれて助かる。
一家に一台、留三郎がほしいな。うん。



「ほーら。そろそろ、寝るぞー」

「わあ、留三郎が布団ひいてくれてる」

「…まあ、たまにはな。」

「「わーーい!」」



大人にとっては早い時間だけれども、留三郎も左門と三之助の寝る時間に合わせて寝てくれてるところが優しいなって思う。








「「ぐーごーぐーごー」」

「おうおう、いつもながら寝るの早いな」

「子供って寝るまで全力なんだよ、もう電池切れ。」



留三郎がひいてくれた布団に寝転がって、電気を消す。
左門も三之助も静かになったかと思えば、もういびきをかいて寝てしまった。
さっきまであんなに騒がしかったのに、ほんと子供ってすごい。
今日の体育も、勉強も2人なりに一生懸命頑張ったんだろうな…えらいえらい。
そう思って、2人が風邪をひかないように毛布をかけてあげる。



「よく考えたらさ、留三郎と会うの久しぶりだね」

「ん?…まー、そうだな2ヶ月ぶりか?」



留三郎のほうを見ると、静かに天上を見つめていた。
…うん、こうして黙ってれば留三郎もイケメンなのにね。



「……なんだよ、ニヤニヤしやがって」

「留ちゃん、さみしくなったの?」



きっと口にはしないけど、留三郎が来るときは寂しいときだ。
会わなかった2か月間いろいろあったんだろうな。
…まあ、聞いてあげないけど。



「…ちげーよ、バーカ。」

「じゃあアタシが慰めてあげますか」



別に、幼なじみだから、一緒にご飯をしていても一緒に寝ていても、もう何とも思わない。
けどきっと居なくなっちゃったら、さみしいって思うんだろうな。
小さい頃から毎日一緒だったから、幼馴染みのみんなとは血の繋がっていないけどまるで兄弟みたいに楽しい毎日を送ってた。
左門と三之助にも、そんなお友達がいっぱい出来るといいな。



「留三郎くん、お仕事がんばったね、よちよち」

「俺にはコイツらの寝顔だけで、十分だコンチキショー。」



留三郎の頭をまるで3人目の大きな子供のように撫でてあげる。
毎日この頭で上司にペコペコして、お客さんにもペコペコして。
そんなの大嫌いな留三郎なのに、よく文句も言わないで頑張ってるよ。
私に対抗するかのようにくしゃくしゃと左門と三之助の頭を撫でる留三郎は、嬉しそうに笑ってた。



「留三郎、お仕事、おつかれさまね」

「おー…。名前も毎日子育てと仕事、おつかれ。」

「うん、おやすみなさい」

「おやすみ。」



留三郎は、私のことを非難しないでいてくれる。
あの時もそうだったみたいに。







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ぶっきらぼうだけど
なんだかんだ下級生には優しい食満くんに毎回心を射抜かれてます

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