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□変態の狂想曲
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変態の狂想曲


だって好きなんだからしょうがないやん
今日も可愛いあの子の元へ



 ――――――――― 

「もしもしこいちゃん、こいちゃんよ。
どうしてそんなにつれないの♪」
「相手が白石だからよー。」
「その返しは心に痛い。
こいちゃん、痛ーい !」
「やかましい。」

一刀両断
こいちゃんツッコミスキル高いわ
くらら泣いちゃうっ

「何、一人百面相大会してんねんお前優勝候補になっとる。」
「そないにええ顔しとった?
いやぁ、照れるわー。」
「誰も褒めとらん。
褒めてないからねー。
白石君ー、落ち着こーな。」

白石蔵之介只今妄想炸裂中

なんか必殺技みたい

そんな俺を見るこいちゃんの優しい眼差し
母性すら感じるわー
エクスタシィやないで

「こいちゃん、こいちゃん。」
後ろから抱き着く
「何やねん。」
「好き好き好き大好き。もう大好き。」

誰もいない静かな部室
いるのは二人だけ

「大大大大好き。
こいちゃんだーい好き。」

ありったけの好きを豪雨のように振り掛ける
よしよしと子供をあやすように背中の俺の頭を撫でる
こっちに向いてくれない儘

「なぁなぁこいちゃん、こっち向いて?」

俺の言葉通り、首を回してこっちに顔を向ける
以外と綺麗な肌に、切れ長の目
薄い唇
整った顔立ち
自分はイケメンと言われるが彼は綺麗と表現されるだろう
俺の場合は可愛いやけど

「なんや?
本読みたいんやけど。」

「こいちゃん、本なんかより俺を見て♪」
「女々しい奴やな。
そないに見て欲しいんなら女子に頼みや。
あの子等なら何時間でもお前んこと見てくれるやろ。」

こいちゃんたら、酷い

「ちゃうん……
女子に見られても、嬉しないもん。」
「お前、それ謙也に言うたら地の果てまで飛ばされるで。」
「ええんや。
女子なんかに興味無い。

ねぇ、こいちゃん。
俺だけ見てて。」

「嫌」

再び一刀両断

「ケチィ。」
「何で、お前だけ見てなあかんのやし。」

「そんな事言って、照れてるんやろー。」
「照れとらん、本心で言うとるんやけど。」

「可愛いなぁ!
こーいちゃーん!」
「うわ!
お前、俺が警察やったら逮捕しとる!」

君に捕まるなら本物さ
誰にも向かず俺だけ見て

さぁ早く俺だけ捕まえて
俺が君を捕まえる前に

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