廻り逢い
□1章:出逢い
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私は久野##NAME1##。
私の前世は女武士だった、らしい。
しかも名前は私と同じだった、らしい。
まあ、あまり信じていないのだけれど。
そして私はこの春、薄桜学園に合格した。
今日は入学式。
新しい生活への期待と不安を胸に秘めながら薄桜学園へと向かっていた。
…しばらく歩いても、薄桜学園にたどり着けない。
おかしいな…。地図どおりに行ったはずなのに……
辺りをうろうろしてみても
薄桜学園らしき建物は見つからない。
「車で送ってもらえばよかったな……」
「ねえ君、薄桜学園の生徒じゃない?」
小声で呟いていると、後ろから声をかけられた。
「え?」
振り向くとそこには、薄桜学園の制服を着た、顔立ちの整った茶髪の青年が立っていた。