廻り逢い
□1章:出逢い
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―――ドクン、と
心臓が大きく跳ね上がるのが自分でもわかった。
なんだろう。
前に逢ったことがあるような、
すごくなつかしいような気がする。
涙も溢れてきそうになる。
なんで、こんな気持ちになるのだろう…
私は答えを求めて、その青年を見つめていた。
「僕の顔に何かついてるの?」
青年の言葉で我に返る。
「いいえ……。」
「ふーん。ところで君、こんな所で何してたの?」
「えっと……迷子になっていました……。」
私がそう答えると青年は腹を抱えて笑い出した。
「あっはははっ!!君、おもしろいね。」
「何がですか…!?」
「ごめんごめん。君、新入生だよね?
じゃあ道、教えてあげるよ。」
唐突にそう言うと、薄桜学園への道を教えてくれた。