短編

□暗殺者
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『初任務、ですか・・・』
「そ。弱小マフィアの下っ端ひとり。」



ボンゴレ最強と謳われるヴァリアーに
入隊して3ヶ月。
何でか入隊試験に合格して、少し実習して
ようやく初任務をもらえた。

全然うれしくない。
人を殺す楽しさなんか、
知らなくていい。



『やっぱり殺しますか・・?』
「俺ら暗殺部隊だぜ?今更何言ってんの。」


ベルフェゴール隊に配属された私は
彼から初任務の内容を聞く。


「Cランク。余裕じゃん。」


書類を眺めながら
つまらなさそうに呟く隊長。

そりゃあ隊長の殺しっぷりは
本当に凄まじいもので
Sランクばっかり回ってきて
殺しに快楽を求める彼の身としては
Cランクなんて殺す意義すら感じられないのかもしれない。





「・・・・・お前こわいの?」


洞察力も人一倍優れていて
その人が纏う一瞬一瞬の気配やオーラも
感じ取ってしまうのだから
安易に考え事なんてしないほうがいいのかもしれない。




こわいって言ったら
殺されるのかな。

弱者には死の制裁を、なんだし
しかもベル隊長となれば
さっさと始末しちゃうんだろうなぁ・・。


『いえ、こわくなどありません。』
「・・まっ、いーけど。」
『私一人ですか?』
「一応俺がついてる。でも言っとくけど俺助けてなんかやらないし、あくまで傍観しとくだけだから。」
『え、』
「Cランクなんてつまんねーの、見たっておもしろくねーのにさ。」
『なのに、ですか?』
「俺ら幹部は、自分の隊の奴の能力を測るように言われてんだよ。」
『そうですか・・。』
「死なない程度にがんばれよ。」




うしし、と笑って
私の肩を叩いた隊長。




なんだか、その笑顔が
不気味に見えた。




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