電脳獣
□HEARTBLADE11
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俺達がここ、レイクゾーンに着いたのは昨日の昼だ。
エンシェントマーメイモンが言った通りに湖とオーロラのコントラストが美しいゾーン。
オーロラがバーコードだったのは、結構真面目にビックリしたけどな。
まぁでも、確かに綺麗なゾーンだった。
…もっとも、綺麗ならバグラ軍の毒牙が忍び寄って来ていないかと言えばそうでも無いわけで。
寧ろただ今絶賛襲われ中だったんだよ。
「タイミングが良い…いや、悪いのか?俺としては」
俺は傍観者だし。
「お前としては、タイミングが絶妙に良いって事なんだろうな。なぁ、エンシェントグレイモン」
「ふん。相も変わらず、よく舌の回る人間だな」
「褒め言葉として受け取っとく」
「チッ」
露骨に舌打ちしやがったな、コイツ。
ったく…
「まぁ、約束だもんな。行けよ、止めやしないから」
「無論そのつもりだ」
「あぁ、でも、あんまゾーンを傷つけんなよ?」
「…命令か?」
「命令だ」
せっかくこんな綺麗なゾーンなんだ。
壊すのは少し勿体ない。
「ふん。まぁ良いだろう。違える事は無いと心得よ」
「助かるよ」
……なんて余裕を打ち噛ましてたのは始まる前までだった。