電脳獣

□HEARTBLADE16
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第一印象ってやっぱ大切だと思うんだ。
良い意味でも。
悪い意味でも。
だから。

「派手なノックをかましてやれ、エンシェントグレイモン」
「ガイアトルネード!」

遠慮なんて言葉は俺の辞書にはありません。
というか。
空中神殿の半分が壊れたけど…まぁ。
こんだけ壊れてんだからどんだけ壊そうが変わんないだろ。

「ごほっ、キズナ、ネネは!?」
「………」

巻き上がる砂塵に咳込みながらタイキが言うけど…ネネ、ね。

「いるよ」

目の前にさ。

「よう。久しぶり?」

エンシェントグレイモンの上から飛び降りる。
流石に、コイツは中に入れない。

「キズナ…君?どうしてここに…?いえそれよりもどうし
「ちなみに」

ネネの言葉を遮って、言う。

「クロスハートの面々もいるぜ?」

背後の気配が動くのを感じながら、言う。

「ネネやめろ!その力はゾーンを滅ぼす!!」
「知っているわ。でも、やめさせない!!」
「コイツ…!お前もルーチェモンと同じ悪党かよ!!」
「なんだと!?ネネに乱暴な口をきくな!」

ネネの…欲しいもの。
タイキとネネとそのパートナーの会話を聞きながら、思う。
スライム的なモノを出している黒い球。
あれが…?
と、言うか。

「元気だなぁ、おい」

自分がなんでネネを追ってきたのか半ば忘れながら、タイキ達の会話を傍観してた。
そんな時。

「キズナ!」

クダモンが叫ぶように俺の名前を呼んだ。

「いい加減にしろよ、このクズ共が!!」

どうした。
俺がクダモンの声にそう答える前に、ソイツが叫ぶ。
キンキンした金切り声。

「ちっ」

思わず、舌打ちする。
天使と悪魔の翼。
ソイツーールーチェモンは、俺の“左側”から飛び出して来た。
左側。
つまり、眼帯をした方。
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