電脳獣

□HEARTBLADE18
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「だああぁぁぁぁ……くそったれ!!」

感情に任せて声の限り叫ぶ。
叫ばずにいられるか!

「ヨウコモン!」
「無理。アタシの技なんて毛ほどにも効果ないだろうさ」
「エンシェントマーメイモン!」
「水がありません」
「クダモンお前は!?」
「いや、普通に無理」

なんてこった。
打つ手なし。
“きゅーそねこをかむ”どころか防御すら出来ません。

「絶対絶命だー」
「楽しそうだな、クダモン!!」

お前はどっちのみか…

「うおっ…!」

飛んできた岩を間一髪で避ける。
あっぶね!
っつーか、

「なんで岩!?」
「使っちゃいけないなんてルールないでしょ?」
「そーゆこと」
「大人げねーな!!」

Come back、大人の余裕!

「つっうか、エンシェントマーメイモン!」
「なんでしょう?」
「水があればアイツ撃ち落とせんの!?」
 ・・・
「必ずや」

カッコイイな、エンシェントマーメイモン。
水。
水な!

「空気中の水分は?」
「集中すればいけますわ」
「集中っ…!」

今一番出来ねぇものじゃないかよ。
走りながら、考える。
っつーか、楽しそうだなロトスモン!
さっきからずっと笑ってんじゃん。

「……待てよ……?」

エンシェントマーメイモンの自信。
ヨウコモンの機動力。
そしてクダモン。

「…………」

あぁ、そうか。
何も一対一じゃなきゃいけないワケじゃあないんだ。
別に、デジクロスが全てじゃないだよ。

「お」

楽しげに、ロトスモンが声を上げる。
あぁ、イライラするな。

「何か策を思いついた、って顔だね」
「頑張るねぇ、本当」
「言っとけよ」

茶番はおしまい。
幕引きです。
ロトスモンとインペリアルドラモンの余裕を引きはがしてやる。

「クダモン!」
「任せてキズナ!」
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