電脳獣
□HEARTBLADE10
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アイランドゾーンの一件から三日。
エンシェントマーメイモンのおかげで助かった俺は今新たなゾーン、マグマゾーンにいる。
まぁ、とりあえず…
「炎の塊なんて死ねば良いと思う」
「き、キズナ…?」
「アンタなんかキャラ変わってない?」
「気のせい気のせい」
足元の炎の塊ーーヨウコモン達いわくメラモンの大群を睨む。
それは体感的にも視覚的にもキツイ。
「俺は35度を超える高温は駄目なんだって」
特に日本のジメジメした熱さは嫌だ。
「ふーん…キズナでも苦手な物あったんだね」
「俺“でも”ってなんだよ。俺は真人間だぜ?」
「それはないな」
「お前まで言うか、ヨウコモン…」
まぁ、そりゃ確かに真人間の前にかっこ一応かっことじる、ってつくかもしんないけどさ。
「だって、ねぇ…」
「だって、なぁ…」
「…なんだよ」
なんかすっごい言いたそうだな。
「「真人間はデジモン相手にナイフ一つで立ち向かわないと思う よ/ぞ 」」
「よーし、お前等ちょっとそこ…」
戦闘機のような音が聞こえて思わず黙る。
嫌な予感と同時に目の前に現れたの巨大な蜥蜴で…
「ブラスターテイル!」
ティラノサウルスが尻尾を振り下ろす。
ナイフを出すのは間に合わない。
いや、出せたところできっと止められない。
俺はーー
「キズナ!!」
悲痛な叫びを聞きながら、俺は一歩もその場から動かなかった。